自分は肺腺がん4期の診断を受けています。WEBで肺がんに関するページを読んでいろいろ勉強したりしてます。そこで出てくるお薬の名前、なかなか覚えられないですよね。
いろいろなページでいろいろな薬の名前が出てくるたびググって、「ああ、こういう薬なんだな」って思うんですけど、こんどまた同じ名前の薬を見ても、「あれ、この薬、名前は覚えてるけど、どんな薬やったっけ?」って毎回なるので、自分でお薬辞典?作ってみようかなと。
一気に作ってしまうのはなかなか大変なので少しずつ更新するやり方になると思いますが、参考になりましたら幸いです。誤りが内包されている可能性がありますので、その点では免責いただきたく。まあ、こんな名前の薬があるんだなあ、程度に見ていただければと。また、間違いにお気付きの際はコメントいただければ幸いです。
分子標的薬
EGFR
イレッサ(一般名:ゲフィチニブ)
■メーカー
アストラゼネカ
■効能
EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌
■承認時期
2002年7月
■剤形
錠剤
■ひとことメモ
発売当初はEGFRを阻害することはわかっておらず、非喫煙者、腺癌、女性、東洋人で有効性が高いとされていたが、2004年4月にEFGR遺伝子との相関が報告された。副作用による薬害訴訟でも有名。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
タルセバ(一般名:エルロチニブ)
■メーカー
中外
■効能
〇切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌
○EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な再発・進行性で、がん化学療法未治療の非小細胞肺癌
〇治癒切除不能な膵癌
■販売時期
2007年12月
■剤形
錠剤
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
ジオトリフ(一般名:アファニチブ)
■メーカー
日本ベーリンガーインゲルハイム
■効能
〇EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌
■発売時期
2014年5月
■剤形
錠剤
■ひとことメモ
イレッサ、タルセバに続く第2世代のEFGR阻害薬。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)
■メーカー
アストラゼネカ
■効能
〇EGFR遺伝子変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌
■販売時期
2016年5月
■剤形
錠剤
■ひとことメモ
他のEGFR阻害薬で耐性が出た場合にも効果が期待できる第3世代のEGFR阻害薬。その場合はEGFR T790M変異陽性を確認する必要がある。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
ALK
ザーコリ(一般名:クリゾチニブ)
■メーカー
ファイザー
■効能
ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
■発売時期
2012年7月(2017年5月にROS1適応承認)
■剤形
カプセル
■ひとことメモ
現在ザーコリの薬のしおりには「ROS1肺がんの患者さん」と記されており、ROS1がメインの適応症となっているもよう。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
アレセンサ(一般名:アレクチニブ)
■メーカー
中外
■効能
ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
■発売時期
2015年12月
■剤形
カプセル
■ひとことメモ
クリゾチニブに耐性となった患者でも効果が期待できる。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
ジカディア(一般名:セリチニブ)
■メーカー
ノバルティス ファーマ
■効能
ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
■発売時期
2016年5月
■剤形
カプセル
■ひとことメモ
発売当初の適応症は「クリゾチニブに抵抗性または不耐容のALK 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」だったが、2017年9月に一次治療としての適応拡大承認を得た。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
ローブレナ(一般名:ロルラチニブ)
■メーカー
ファイザー
■効能
ALKチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性又は不耐容のALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
■発売時期
2018年11月
■剤形
錠剤
■ひとことメモ
第3世代のALK阻害薬。治験ではROS1にも効果が確認されている。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
ALUNBRIG(一般名:ブリガチニブ)
■メーカー
武田
■効能
クリゾチニブ投与中に進行した、あるいはクリゾチニブ不認容の未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)の転移性非小細胞肺がん
■発売時期
治験中
■剤形
■ひとことメモ
武田のニュースリリースでは「ALUNBRIGは、クリゾチニブ抵抗性のALK陽性非小細胞肺がん患者に対する治療としてFDAよりBreakthrough Therapyに指定されるとともに、ALK陽性非小細胞肺がん患者およびROS1陽性とEGFR陽性の 非小細胞肺がん患者に対する治療としてFDAよりオーファン・ドラッグとして指定されました。」とあり、ROS1,EFGRへの適応の可能性もあるか?
■外部リンク
武田薬品工業
ROS1、NTRK
ザーコリ(一般名:クリゾチニブ)
■メーカー
ファイザー
■効能
ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
■発売時期
2012年7月(2017年5月にROS1拡大適応承認)
■剤形
カプセル
■ひとことメモ
もともとはALK阻害剤として開発、承認された。現在ザーコリの薬のしおりには「ROS1肺がんの患者さん」と記されており、ROS1がメインの適応症となっているもよう。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
ロズリートレク(一般名:エヌトレクチニブ)
■メーカー
中外
■効能
ROS1融合遺伝子陽性の局所進行または転移性非小細胞肺がん、またはNTRK1/2/3融合遺伝子陽性の局所進行または転移性固形がん
■発売時期
2019年9月(NTRK阻害剤として)
2020年2月(ROS1阻害剤として)
■剤形
カプセル
■ひとことメモ
2018年9月26日、中外製薬はエヌトレクチニブがROS1患者に対して2年以上効果を持続したと発表した。また、中枢神経系(CNS)に転移している腫瘍を患者さんの半数以上で縮小させたとのこと。
■外部リンク
中外製薬
日本医療研究開発機構
DS-6051b
■メーカー
第一三共
■効能
ROS1/NTRK阻害薬
■発売時期
臨床試験中
■剤形
■ひとことメモ
クリゾチニブ耐性のROS1-G2032R変異に対しても有効である可能性が実験的に示された。
■外部リンク
日本医療研究開発機構
HER2
Trastuzumab deruxtecan(DS-8201)
■メーカー
第一三共
■効能
HER2過剰発現またはHER2変異のある再発・進行性非小細胞肺がん
■発売時期
治験中
■剤形
■ひとことメモ
乳がん、胃がん及び大腸がんに続き、非小細胞肺がんでの治験も2018年5月にスタート。
■外部リンク
日本医療研究開発機構
VEGF
アバスチン (一般名:ベバシズマブ)
■メーカー
中外
■効能
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
卵巣癌
*進行又は再発の子宮頸癌
手術不能又は再発乳癌
悪性神経膠腫
■発売時期
2007年6月
■剤形
注射剤(バイアル)
■ひとことメモ
VEGFの働きを阻害することにより、血管新生を抑えたり腫瘍の増殖や転移を抑えたりする作用を持つ。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
免疫チェックポイント阻害薬
PD-1
オプジーボ(一般名:ニボルマブ)
■メーカー
中外
■効能
悪性黒色腫
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌がん
化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌
がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
■発売時期
2014年9月(2015年12月肺がんへの適応承認)
■剤形
注射剤(バイアル)
■ひとことメモ
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の場合、化学療法未治療患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
非小細胞肺がんの患者にオプジーボを使用した医師の評価は、がんが縮小した割合は2~3割とされている。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
小野薬品
キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)
■メーカー
MSD
■効能
根治切除不能な悪性黒色腫
PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌
■発売時期
2017年2月
■剤形
注射剤(バイアル)
■ひとことメモ
非小細胞肺癌の一次治療から使用できる唯一の免疫チェックポイント阻害剤。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
PDL-1
テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)
■メーカー
中外
■効能
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
■発売時期
2018年4月
■剤形
注射剤(バイアル)
■ひとことメモ
初のPDL-1阻害剤。
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
中外製薬
細胞傷害性抗がん剤
葉酸代謝拮抗剤
アリムタ(一般名:ペメトレキセド)
■メーカー
日本イーライリリー
■効能
悪性胸膜中皮腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
■発売時期
2009年9月
■剤形
注射剤(バイアル)
■ひとことメモ
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
白金製剤
ブリプラチン(一般名:シスプラチン:CDDP)
■メーカー
ブリストル・マイヤーズ スクイブ
■効能
睾丸腫瘍,膀胱癌,腎盂・尿管腫瘍,前立腺癌,卵巣癌,頭頸部癌,非小細胞肺癌,食道癌,子宮頸癌,神経芽細胞腫,胃癌,小細胞肺癌,骨肉腫,胚細胞腫瘍(精巣腫瘍,卵巣腫瘍,性腺外腫瘍),悪性胸膜中皮腫,胆道癌
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
悪性骨腫瘍,子宮体癌(術後化学療法,転移・再発時化学療法),再発・難治性悪性リンパ腫,小児悪性固形腫瘍(横紋筋肉腫,神経芽腫,肝芽腫その他肝原発悪性腫瘍,髄芽腫等)
■発売時期
1984年3月
■剤形
注射剤(バイアル)
■ひとことメモ
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
パラプラチン (一般名:カルボプラチン : CBDCA)
■メーカー
ブリストル・マイヤーズ スクイブ
■効能
頭頸部癌,肺小細胞癌,睾丸腫瘍,卵巣癌,子宮頸癌,悪性リンパ腫,非小細胞肺癌,乳癌
以下の悪性腫瘍に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法
小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍,再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)
■発売時期
1990年9月
■剤形
注射剤(バイアル)
■ひとことメモ
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
微小管作用薬
タキソール(一般名:パクリタキセル)
■メーカー
ブリストル・マイヤーズ スクイブ
■効能
卵巣癌,非小細胞肺癌,乳癌,胃癌,子宮体癌,再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌,再発又は遠隔転移を有する食道癌,血管肉腫,進行又は再発の子宮頸癌,再発又は難治性の胚細胞腫瘍(精巣腫瘍,卵巣腫瘍,性腺外腫瘍)
■発売時期
1997年10月
■剤形
注射剤(バイアル)
■ひとことメモ
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
タキソテール(一般名:ドセタキセル)
■メーカー
サノフィ
■効能
乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌
■発売時期
1997年6月
■剤形
注射剤(バイアル)
■ひとことメモ
タキソール(パクリタキセル)と名前が似ているので混同しないよう注意が必要
■外部リンク
(独)医薬品医療機器総合機構
ウィキペディア
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