プレシジョンメディシンとリキッドバイオプシー

治療方法

妻がminneに出店しました。ぜひ一度みてやってください。↓クリック^^↓

プレシジョン・メディシンはちょこっと耳にしたことありますが、リキッドバイオプシーって?

プレシジョン・メディシンは精密治療と訳されます。精密というのは本来は患者個別での最適な治療方法、すなわち患者個人に対する考え方ですが、実際には患者への精密なアプローチには薬剤の作用機序の精密さが重要になってくるわけで、(各種遺伝子変異に対する適用など)その両方の意味と捉えても間違いではなさそうです。

がんの治療法・薬剤の発展

私が子供のころ、癌は致死の病でした。癌に対する治療は手術、放射線、抗がん剤、この三つしかなかった。唯一根治が望めるのは手術でした。

白血病も血液の癌と言われて、手術はできないですから、昔は助かる人はなかった病気でした。不謹慎かもしれませんが、ドラマでの薄幸の美女の病気あるあるでした(時代ですね)。その後骨髄移植という治療法が開発され、さらに2000年ころには分子標的薬としてグリベック(一般名:イマニチブ)が開発されました。

グリベックはその劇的な治療効果の高さから、分子標的薬の知名度を飛躍的に高めました。また、2008年の発表では7年生存率が86%と言うのですから本当に素晴らしいことだと思います。(白血病以外の原因で亡くなる方もおられることを考えると90%を超えるかもしれせんね)

分子標的薬から「プレシジョンメディシン」へ

私が服用しているザーコリ(一般名:クリゾチニブ)も分子標的薬ですが、その効果はALK融合遺伝子と、ROS1融合遺伝子に限られています。

融合遺伝子というのは遺伝子変異のことで、例えば肺がんではALK、ROS1の他にもEGFR、HER2など色々なタイプがあり、患者さんごとにそのタイプが違っています。ですので、適切なタイプに適用する薬を投与しないと全く効果がありません。ここが精密治療の精密治療たる所以ですね。

また、分子標的薬についで新しい治療方法として脚光を浴びているのが本庶先生のノーベル賞でさらに有名になったオプジーボ(一般名:ニボルマブ)などの免疫チェックポイント阻害薬で、こちらも投与する際にはPD-1やPD-L1という遺伝子の有無を調べる必要があります。

そこで重要になるのが、その患者さんの癌の遺伝子異常のタイプやPD-1などの発現率の検査です。これらの患者個人の癌の種類を特定する検査の対象物をバイオマーカーっていいます。

 

私は肺腺がんで、最初の診察時に胸水が溜まっていたため、その胸水の検査で一週間くらいで癌の確定診断、その後一週間くらいでROS1陽性が判明しました。もし胸水がなかったら、気管支鏡検査で実際の癌細胞を取って生検する必要がありました。

 

さて、それから10ヶ月経過し、ザーコリとケトン食のおかげで毎日元気でやっとりますが、おりにつけ頭を過るのは「耐性」。そう、癌がザーコリに対して耐性を獲得したらその後の治療をどうするかという問題です。

今後出てくるであろう新しい分子標的薬を使うか、現存の免疫チェックポイント阻害薬を使うのかという選択肢はあるのでしょうが、やはりそこで必要なのが遺伝子の検査。今それをやるとすれば、幸か不幸か(幸に決まってますが)ザーコリのおかげで胸水は全く無くなってるため、気管支鏡検査をすることになります。

新しい検査手法・「リキッドバイオプシー」

気管支鏡検査って字面は検査ですが、実際はちょっとした手術ですから、少なからず体に負担があるのですね。また、全てのケースで気管支鏡検査ができるとは限らないのです。

そこで、最近ちょこっと話題になってるでしょ、血液検査で癌かどうか診断するってやつ。リキッドバイオプシー(直訳すると「液体生検」ですね)っていうそうで、今はまだ完全ではないようですが、同様にがん患者の遺伝子変異のタイプを検査する手法がすでに実用化されているようです。

例えばEGFR陽性に対する分子標的薬、イレッサ(一般名:ゲフィチニブ)やジオトリフ(一般名:アファチニブ)などの投薬で耐性が生じた場合に多く出現する「T790M」という変異に対してもタグリッソ(一般名:オシメルチニブ)は奏功することがわかっています。

そこで、リキッドバイオプシーと言われるこの手法を使ってその患者に実際「T790M」という変異が発現しているかを調べるという手法がすでに保険適用になっているそうです。

PD-1やPD-L1の発現率までは今のところ対応していないようですが・・

そして、まだROS1に対してはここまで具体的な手法は無いようですが、将来的に開発されることでしょう。

近未来の肺がん治療

 

ごりおさん、肺に大きな腫瘍がありますね、血液検査の結果を待ちましょう。

はーい。

肺腺がんステージIVですね。ROS1陽性なのでこの薬で行きましょう。

はーい。

ごりおさん、お薬、とても効いてますよ、がんがほとんどなくなってますよ^^

ありがとうございまーす^^

増悪してきましたね、血液検査の結果、耐性獲得の遺伝子変異が出ています。これに効く薬あるので変えましょう。

はーい。

ごりおさん、完全になくなりましたよ。寛解ですね^^

ありがとうございまーす^^

なんてお気軽ながん治療の時代もすぐそこにきてるのかも知れませんよ^^

 

 

お前たちちっともクリックしねえなあ、オラ、がっかりすっぞ!!
(野沢雅子、もとい、悟空の声で読んで下さい)

肺腺がん 人気ブログランキング - 病気ブログ
肺腺がんブログの人気ブログランキングは数多くの人気ブログが集まるブログランキングサイトです。(参加無料) - 病気ブログ
SCRUM-Japan GI-SCREEN、73種の遺伝子異常を血液で解析 リキッドバイオプシーを用いた個別化医療の実現を目指す
国立がん研究センターのホームページです。

コメント一覧

タイトルとURLをコピーしました