エヌトレクチニブ、ロシュが開発中のROS1/NTRK阻害剤ですが、最近になってNTRKに対する効果が発表されました。
今のところNTRK陽性の癌に対する分子標的薬はまだ上市されていないようですが、エヌトレクチニブが一番手で出てきそうです。
ロシュ社は21日、臨床開発中で個別化医療に適合したentrectinibの主要な第II相臨床試験(STARTRK-2)、第I相臨床試験(STARTRK-1)、および第I相臨床試験(ALKA-372-001)の統合解析の結果、NTRK融合遺伝子陽性の固形がん患者さんの半数以上(奏効率:57.4%、54例中31例、主要評価項目)で腫瘍の縮小が認められたことを発表しました。投与開始時の中枢神経系(CNS)への転移の有無にかかわらず、10種類の固形がんでentrectinibは奏効を認めました(奏効期間中央値:10.4カ月)。特筆すべき点は、entrectinibは、中枢神経系(CNS)に転移している腫瘍を患者さんの半数以上で縮小させ(頭蓋内奏効率:54.5%、11例中6例、副次的評価項目)、1/4以上の患者さんで完全奏効を示したことです。Entrectinibの安全性プロファイルは、これまでの解析で確認されたものと同様でした。本結果は、欧州臨床腫瘍学会において2018年10月21日に発表されました。
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現在第II相試験中とのことですが、一日も早い承認、発売が望まれます。私はROS1陽性なので、そちらの方でももちろん期待しています。早くて2019年度中って感じでしょうか・・・
引用ばかりで恐縮なのですが、中外のHPにNTRK遺伝子変異について説明がありましたのでこちらも載せておきます。ネットで調べてみてもNTRKに関する情報はまだまだ少ないようですので・・
NTRK(神経栄養因子受容体)融合遺伝子陽性がんについて
NTRK融合遺伝子とは、NTRK遺伝子(NTRK1、NTRK2、NTRK3、それぞれTRKA、TRKB、TRKCタンパク質をコードする)と他の遺伝子(ETV6、LMNA、TPM3など)とが染色体転座の結果、融合してできる異常な遺伝子です。NTRK融合遺伝子から作られるTRK融合キナーゼにより、がん細胞の増殖が促進されると考えられています。NTRK融合遺伝子の発生は非常に稀ではありますが、成人や小児の様々な固形がんや肉腫等[虫垂がん、乳がん、胆管がん、大腸がん、消化管間質腫瘍(GIST)、乳児型線維肉腫、肺がん、唾液腺の乳腺相似分泌がん、悪性黒色腫、膵臓がん、甲状腺がん等]で確認されています。
ROS1に対するエヌトレクチニブの効果などはこちらも御覧ください。
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お前たちちっともクリックしねえなあ、オラ、がっかりすっぞ!!
(野沢雅子、もとい、悟空の声で読んで下さい)
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