皆さん、お元気ですか?ROS1患者ごりおです。今回は忘備録的にROS1阻害薬の開発状況について書いてみたいと思います。
詳しくは治療歴のページを読んでいただければ幸いですが、簡単に自己紹介しますと、
私は2017年12月に肺腺癌ステージ4の診断を受けました。数センチの大きさの腫瘍が2個ほどあると。
恐らくその5年前にその病態だったら、多分1年位で死んでいたでしょう。実際自分も診断を受けたときは半年から1年くらいかなあ、と思ったものです。
しかし、今は遺伝子治療の時代になっていて、自分も遺伝子検査を受け、ROS1遺伝子転座という遺伝子異常だということがわかり、診断を受けた日のほんの半年くらい前に認可されたばかりの「ザーコリ(一般名:クリゾチニブ)」というROS1阻害薬の処方を受け、一度の入院もせず、現在に至っています。
ザーコリの治療効果はまるで魔法のようで、自分はわずか半年くらいでほぼ寛解の状態にまでなりました。半年で死ぬ予定が半年でほぼ治っちゃったんです^^;
もちろん、並行して受けたケトン食療法の相乗効果も大きかったとは思いますよ。
(ただ、今にして思えば、診断当時に脳に転移していなくて本当によかった。ザーコリは脳にはあまり効かないんです。不幸中の幸いでした。)
しかしながら、今もザーコリ飲み続けてますし、ケトン食も続けています。予防的といえばそうですし、そもそも治ってないといえばそれもそう。中途半端な感じです。
CTでは小さくカスみたいなのが見えるが、FDG-PETでは反応なし。って感じ。
そして、治ってない前提でいえば、ザーコリを服用していると、必ずといっていいほど耐性がついてしまう。というか、新たたな遺伝子変異が起きてしまうんですね、えーっと、ROS1-G2032R変異と言われるものです。
ですからROS1患者は必然的にザーコリに次ぐROS1阻害剤の登場を熱望することになるのです。
そして、実際に登場したのが
中外製薬の「ロズリートレク(一般名:エヌトレクチニブ)」です。ちなみに名前のロズはROS1から来てるとか。
しかし残念ながら、ロズリートレクはG2032R変異に対する効果は確認されていないようです。
今後登場する予定のお薬で私が今一番期待しているのは
第一三共のDS-6051b(開発名)です。以前から名前はちょこちょこ見ていたのですが、あるとき第一三共のHP見に行ったら開発中止と書いてあった。しかし開発再開したのか、最近ネット上でもとても活気がありますし^^、G2032R変異への効果も確認されているようです。ただ、いかんせんまだ治験の第I相なんですよね、認可まで早くてあと3年くらいかなあ・・・・
次に期待しているのは
武田薬品のブリガチニブ(商品名ALUNBRIG)です。
こちらは今治験第II相みたいです。G2032R変異のキーワードではあまりヒットしませんが、治験ではクリゾチニブ治療により増悪した患者にも効果があったようで、おそらく、G2032R変異に効いているのではないかと思っています。治験の進み具合をみると、DS-6051bよりこちらが先に認可されるかもしれませんね。FDAではすでに認可済のようですし。
ダークホースは
Turning Point社のrepotrectinib(一般名?:レポトレクチニブ?)開発名:TPX-0005?
社名も薬名も聞いたことなかったんですが、レポートを見ると結構有望な感じもあります。本日時点でのROS1関連の最新のレポートではないかと。G2032R変異にも効果ありそうで、治験も第II相まで進んでいます。
英語のサイトですが、Google Chromeを使えば簡単に日本語ページに変換できますよ^^
まあそんなわけで、あと5年もすればクリゾチニブによる耐性もクリアできて、完治とまではいかなくても、お薬さえ飲んでさえいれば、健康な生活が送れる、そんな時代になるよね、って今思ってます。^^
お前たちちっともクリックしねえなあ、オラ、がっかりすっぞ!!
(野沢雅子、もとい、悟空の声で読んで下さい)
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